1.cm関節症について
手の親指にある関節で親指の付け根と手根骨という小さな骨の関節をCM関節と言います。
一般的には使いすぎによって普段から関節に負担がかかり、徐々に変形して母指の付け根が腫れてきたり、亜脱臼といって脱臼の一歩になることもあります。
症状としては物を掴んだ時に痛みがあったり、段々と親指が開きにくくなったりすることもあります。
治療内容として固定や湿布、整形外科では関節内に注射を打つこともあります。
一般的な治療はこの程度の治療しかありませんが、当院では独自の方法でcm関節症に対してアプローチしています。
その一部をご紹介します。
2.CM関節症の隠れた原因
母指に起こるCM関節症ですが、実はこの疾患私が見てきた限りでは、
首に問題のある患者さんが多い
ということです。
どういうことかと言うと、腕や手の筋肉を支配する神経は、首から肩・腕・手・指先の順に通っています。
この通路にはいくつか神経が圧迫されやすい部位があり、CM関節症の患者さんのほとんどが首(特に斜角筋)の部位で圧迫を受けていることが長年の臨床経験から分かってきました。
神経が圧迫されることで起こるのは痺れだけではありません。
圧迫部位より末端の筋肉の緊張度が高まることもあります。
CM関節症の患者さんの多くは斜角筋が異常に緊張し、神経を圧迫しているため母指に付着する筋肉の緊張バランスが崩れてしまいます。
結果、母指に負担がかかってしまうため、母指の中でも特に可動性の高いCM関節に無理がかかってしまうんです。
ですので、当院で行う治療はまず首の可動域から見ていきます。
当院で行うCM関節症に対して用いる技術は以下の二つあります。
・AKA療法について
斜角筋の緊張を緩める技術として最も良いのがAKA療法です。
斜角筋の付着する肋骨の動きを正常にすることで斜角筋の緊張度も下がっていきます。
また、CM関節や手関節に対してもAKA療法を用いて、関節の動きをなるべく滑らかにしていきます。
・テーピング固定について
一般的に固定を行うものと同じです。
CM関節自体に起こった炎症を取り除くには固定が一番です。
しかし既製品の固定具では目的とした動作を制限できなかったり、サイズが合わないなどもあるため、当院ではテーピングを使用しています。
症状がひどい場合にはプライトンといって、患者さんのサイズに合わせて作成できるギプスを作ることもあります。
3.CM関節症の生活習慣
首の治療と母指の固定が出来れば、炎症自体は3~5日で治まります。
後は生活習慣で首と母指に負担がかからないようにしてもらいます。
斜角筋を緊張させやすい行動として、
・デスクワーク
・長時間目を使う
・スマホ
などの長時間じっとした姿勢でいることに注意してください。
母指に負担をかける動作として、
・持続的に母指に力を入れる
・瞬間的に母指に力を入れる
などの動作は控えた方が良いです。
4.院長からの一言
CM関節症は安静しか治療方法のない少ない疾患です。
しかし、当院ではその根本である首の治療をすることで母指の筋肉の緊張度を下げることが治すことの近道となります。
まずは首に負担をかける動作や姿勢をやめてみましょう。
5.お問合せについて
お問合せの前に必ず※治療をお断りする場合をお読みください。
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