近年。スマホやパソコンの普及により一日に画面を見る時間が増加しています。
その影響で首の痛み、特に「首の付け根が痛い」という患者さんが多く来院されています。
今回はその首の付け根の痛みの対処方法と対策をご紹介します。
１．首の付け根には何がある？
首の付け根とは後頭部と首の間辺りを指します。
ここには頭を上に向かせる筋肉や頭蓋骨を支える筋肉が多くあります。
猫背の人では負担も大きくいわゆる凝りのような症状を訴える方が多いです。
１－１．症状を起こしやすい筋肉
僧帽筋（そうぼうきん）上部線維
肩甲骨から後頭部に伸びる筋肉です。
表層にあって大きい筋肉なのでいわゆる肩こりを起こしやすい筋肉です。
他にも冷えや風邪の引き始めにコリを感じます。
頭板状筋（とうばんじょうきん）・頭半棘筋（とうはんきょくきん）
胸・首の背骨から後頭部に付く筋肉です。
目の使い過ぎでよくコリを感じる筋肉です。
後頭下筋（こうとうかきん）
首の骨から後頭部に付く筋肉です。
頭を安定させる小さい筋肉で、視線を安定させます。
長時間画面を見ることで緊張することがあります。
１－２．猫背との関係
座っている姿勢で横から見ると背中が丸くなっている方がいます。
これを猫背といいます。
猫背は骨盤が後ろに倒れ腰は大きく後ろに曲がり、バランスを取るために頭が前方に出て背中の丸みとなります。
猫背になると首にかかる負担は真っ直ぐした姿勢の何倍にもなり、首の付け根の痛みを起こしやすいのです。
１－３．目との関係
首の付け根には視線を安定させる筋肉が多くあります。
重い頭を支えるにはそれなりの力が必要です。
長時間画面を見つめると首の筋肉は緊張し、ひどい時には関節にまで影響を及ぼします。
結果、首の付け根に凝り感や痛みを感じ、さらに頭痛などの原因にもなります。
２．首の痛みを持つ患者さんの治療
２－１．年齢・性別
20代・男性
２－２．症状
最近仕事でデスクワークの時間が増えたことによる首の付け根の痛み。
日常的にはスマホを見る時間が長い
仕事で車の運転を長時間することが多いので、ハンドルを握る左の肩甲骨内側にズキンと痛みが走る。
長時間運転による腰の痛みある。
２－３．検査
感覚や筋力低下は問題ありませんでした。
血管症状はありませんでしたがやや指先に冷感があります。
首の動き
後屈（上を向く動作）が一番痛く、右斜め後ろに倒すのも痛い。
他にも右に振り返ると付け根に痛みがある。下を向くと左の肩甲骨当たりが引っ張られる。
腰の動き
背中を右斜め後ろに反らせると痛い。
筋肉の緊張
頭板状筋の緊張が特に強く、他にも斜角筋（首前面にある筋肉）の緊張が強い。
背骨の両側にある筋肉も張っている（右＞左）
２－４．治療内容
検査の結果から座りすぎによる腰部の関節に機能異常が起きており、
頚部の緊張は・頭板状筋・頭半棘筋の緊張による付け根の痛みとして判断しました。
頚部周辺の関節がほとんど動いていなかったため、腰部から頚部にかけて順番に治療しました。
手技内容としては、
・首の気功
を実施しました。
治療後は、
頚部の筋肉の緊張が解け、首の可動域が改善していました。
若いこともあり反応が良く、すぐに効果を実感していただけました。
生活習慣としては、仕事で長時間座ることが多いので座椅子の調整と、画面の見過ぎに注意し、適度に肩回りを動かすように指示しました。
ご自身でストレッチをされていましたが、危険があるので現在はやめていただいています。
３．対処方法
３－１．秘伝公開首の付け根の痛み対処法
せっかくですので皆さんには首の付け根に対する対処方法をご紹介します。
特にデスクワークやスマホによる痛みに有効な方法です。
用意するもの
・テニスボール
・いらない靴下
方法
テニスボールを靴下の中に入れて強く結びます。
「∞」このような形になるかと思います。
あおむけの状態で首の付け根にテニスボールを置き、そのまま10分ほど寝る。
以上の方法で首の骨の動きを調整してくれます。
※首の痛みの原因を特定するには専門的な知識が必要です。
詳しくはご相談いただければ対処方法をご紹介します。
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