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【姫路市】ティーツェ症候群の治療例について【胸骨が痛い】

胸の痛みでお悩みの方は参考にしてください

 ティーツェと診断されていても多くの場合は単なる捻挫の後遺症の場合があります。

今回はその患者さんの症例を2例ご紹介します。

ティーツェ症候群(ティーツェ病)について

ティーツェ症候群とは、原因不明の肋軟骨炎の事をいいます。

肋軟骨とは胸にある肋骨と胸骨を繋ぐ軟骨のことで、ここに炎症が起こることで痛みを生じる疾患です。

 

詳しい内容は別記事に記載していますので、そちらをご参考ください。

 

【姫路市】ティーツェ病の治療について【胸の痛み】

症例1 30代男性 右肋軟骨の痛み

1.発症したときのきっかけ

 発症は2年前に柔道で投げられた際に受傷したそうです。

それからは右胸の痛みがあり病院にて処方されたロキソニンを飲むなどして対処していたそうです。

 

薬を飲むと一時的に症状が軽減するそうですがまた痛みが再発しまた薬を飲むということを繰り返していたそうです。

 

2.現在の症状について

 徐々に症状も悪化してきて、最近では右の肋軟骨部が以前よりも前方に出て変形しているような状態です。

 

 

右胸の痛みは柔道の時に投げられた衝撃で痛みが悪化したり、右肩を動かしたときに胸に響くような痛みがあります。

他にも深呼吸時や右肩を左側に持っていくような動作で疼痛があります。

3.所見

・右第2肋軟骨部に圧痛

・胸骨の正中部に圧痛

・右肩の挙上および内転動作時に痛みあり

4.治療内容について

柔道の外傷がきっかけで第二肋骨の前後の関節に引っ掛かり(関節機能異常)があると判断し治療しました。

 

治療はAKAという方法で、肋骨の関節の動きを一つずつ確認しながら動きを正常に戻す治療方法です。

 

治療後すぐに右肩を左側に持っていく動作は消失しました。

右肩の挙上動作も問題ありませんでしたが胸骨と肋軟骨の圧痛は残っていたため、

炎症は3~5日で落ち着くため自宅にてアイシングと肋軟骨のテーピングを行いました。

 

1週間後に来院された際には右肩の動作は問題なく、圧痛が多少残っている状態でした。

炎症の説明の通り、3日経過した頃には痛みがかなり落ち着いたようでした。

二回目も同じ治療を行い施術終了となりました。

5.院長からのひとこと

当院へ来院された際にはティーツェ病ではないか?と心配されていましたが、ティーツェ病と判断するには肋軟骨の炎症と自己免疫の異常の二つの条件が必要です。

 

リウマチのように関節が腫れやすい体質と肋軟骨部に負荷のかかる動作や姿勢によって起こるので、今回のケースは単に外傷が治らずにその後遺症が残っていたことを説明しました。

 

このように自己判断でティーツェ病という難病と判断する人は多いです。

それだと治療を受ける選択の幅が減ったり、治るものも治らないと思って諦めてしまう人が多いです。

きちんと専門家に判断してもらいましょう。

症例2 20代女性 両肋軟骨の痛み

1.発症したときのきっかけ

特に明確なきっかけはなく3年前に左の肋軟骨部痛を発症。

徐々に両側の第2~3肋軟骨部に痛みがあり最近では深呼吸や胸を張る動作、猫背のように胸を丸くする動作で痛みがある。

 

2.現在の症状について

現在は両側の第2~3肋軟骨部に痛みがあり、体を動かしたときに右肋軟骨部でコキコキと音が鳴る。

深呼吸時や肩を動かすだけでも痛みが響く。

現在も胸を張る・丸める動作が痛い。

 

 

ご本人は事務員をしており一日7時間ほどパソコン作業をし、家でもスマホを触る時間が長いことが原因ではないかと考えており、側弯症もあるので関係があるのか知りたいとのことでした。

3.所見

・第二胸肋関節部に圧痛

・胸骨柄(胸骨の真ん中)に圧痛

・肩関節動作時に胸に響く

・胸を開いたり丸くする動作の時に疼痛あり

・朝起きた時に痛みがある

4.治療内容について

 治療内容は胸肋関節部と背部にある肋骨と背骨の関節の調整を行いました。

治療後すぐに肩関節の動作痛は消失し、圧痛も改善しました。

 

 事務仕事は7年前から勤務されており、発症したのが3年前だったことから何か生活で変わったことをお聞きしていると有名なビーズクッションで寝る事が増えたとのことでした。

 

ビーズクッションで寝る姿勢は体が丸くなり、ちょうど胸骨に圧力がかかる姿勢となります。それで痛めた可能性が高いと考えました。

 

事務作業時も机が低くモニターの高さも低いためモニター位置の調整と椅子の高さを上げるようにお願いしました。

同時にスマホも下向きで操作するのは控えていただきました。

 

側弯症の症状は背部か腰部に痛みや筋肉の張りが出る事が多いため胸部に直接起こることは考えにくく、側弯の角度も19°のため今回の症状にはあまり関係ないとご説明しました。

5.院長からのひとこと

この患者さんは整形外科でティーツェ病と診断されてから来院されました。

しかし上記したように自己免疫系の疾患はないため何かしらの動作や姿勢によって胸部を痛めてしまったと予想し治療をしました。

 

170センチと身長も高いため普通のデスクでは合わず、それも悪化要因となるためデスクとモニターの調整をしてもらいました。

 

最近流行りのビーズクッションは体が丸くなり背部や腰部を傷める人が多いように感じます。

皆さんもできればそういった姿勢はしないようにしてください。